2011.4.7
4月に入り、本格的な春の訪れです。桜の咲くこの季節は本当に心が落ち着きます。また、出会いと別れの時期でもあり、新しい生活を始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食材も冬から春へと移ります。そこで、今回は春が旬のホワイトアスパラガスをご紹介します。日本ではグリーンアスパラガスがおなじみですが、ヨーロッパでおなじみといえばこのホワイトアスパラガスでフランス料理にもよく使われています。この2つは一見違う食材のようですが、実は同じ品種です。違うのは栽培方法で、発芽後に日光を当てて育てたものがグリーンアスパラガス。そして、盛り土をして日光を当てずに育てたものがホワイトアスパラガスです。ビタミンCやE、カロテンなどの栄養素を含み抗酸化力が高くて老化予防や美容に役立つほか、穂先には代謝を促すアスパラギン酸が多く含まれ、疲労回復にも効果があるそうですよ。また、ほんのりした苦みの後に感じる風味と甘味、火の入れ方で様々な食感が楽しめるのも魅力です。素材を選ぶときは、切り口に変色がなく乾燥していないか、さらに穂先の穂が密に詰まり、ピンと張っているかもチェックしましょう。茎が太く、しっかりしているかもポイントです。繊維が思いのほかしっかりあるので、茹でるときは皮を厚めにむき、時間を3〜4分と長めにして柔らかめに茹でましょう。
ホワイトアスパラガスは缶詰を利用される方も多いと思いますが、フレッシュな素材はおいしさが全く違います。当レストランも4月はフランスから届いたホワイトアスパラガスを使ったメニューをご用意しています。シンプルな調理法でもホワイトアスパラガスは、おいしく召し上がっていただける食材です。ぜひ、その味わいを当レストランでお楽しみください。
2011.3.4
ようやく春を感じさせる日が多くなってきました。
これからの季節は、土の中で育つ根野菜から外の野菜へと美味しさが移ります。この時期に旬を迎える野菜は、少しほろ苦い味が特徴。その味を楽しみながら、春を感じてはいかがでしょう。
さて、今回ご紹介する食材は、本鱒(桜鱒)です。やや頭が小さくお腹回りがでっぷりとした愛嬌を感じる容姿ですが、漁獲量が少ないため「幻の高級魚」と呼ばれ、上品な味が楽しめます。旬を迎えるこれからの時期にぜひ、味わっていただきたい食材です。
本鱒は良質なタンパク質や魚にはあまり含まれないビタミンAが豊富に含まれています。赤い身は「アスタキサンチン」と呼ばれるカロチン色素が多く含まれているため。この色素は抗酸化力に優れていて、肌の老化を防ぐ女性にうれしい働きがあります。
皮が銀色にピカピカ光り、体が太くてしっかり張り、お腹に厚みのあるものが新鮮です。ただし、天然物は寄生虫が付いている場合があるため生で食べるのは要注意です! −20度で24時間以上冷凍もしくは、酸やアルコールを加えて保存すれば大丈夫です。また、加熱しすぎても身がパサパサしてしまうので注意しましょう。
当レストランにも青森県大間からたっぷり脂がのった本鱒が届きました。今月はこの食材やカリフラワー、ロマネスコなど地元野菜を使い春らしさあふれる一皿を用意しています。
ディナーのオードブルにてお楽しみいただけます。ぜひ、ご来店ください。
2011.2.7
2月に入り、寒い毎日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。さて、この時期の大きなイベントといえば、バレンタインデーです。そしてバレンタインデーの代名詞といえば、チョコレート。そこで今回はスイーツのスペシャリスト、パティエ・神藤寛恵ともにお便りをお届けします。
チョコレートは、子供から大人まで幅広く愛されている人気スイーツ。カカオの種子を発酵、焙煎したカカオマスを主原料に、砂糖やココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めて作られます。そして、お菓子として楽しむほか、最近では栄養面でも注目されるようになりました。肌やストレスに良いとされるポリフェノールや自律神経を和らげるテオブロミン、エネルギー源となるブドウ糖、ビタミン、ミネラル、食物繊維など色々な栄養素が含まれています。こうみるとお菓子というより、栄養補助食品という感じがしますね。携帯に便利でカロリーも高いため、非常食としても重宝されています。そんなチョコレートが最も注目されるときが2月14日。世界各地で男女の愛の誓いの日とされるバレンタインデーです。その歴史は古く、ローマ帝国の時代にまで遡るのだとか。ただし、欧米では男性も女性も恋人や親しい人に花やケーキなど様々なプレゼントを贈るそう。女性から男性へ愛の告白としてチョコレートを贈るのは、日本独自の習慣といえるわけです。愛の告白でドキドキしたり、日頃の感謝を伝えたり。大切な人へ気持ちを伝えるバレンタインデーは素敵なイベントだと思いませんか。
今月、当レストランのランチ・ディナーでお楽しみいただけるデザートは、パティエ・神藤によるバレンタインにぴったりのショコラケーキ。彼やだんな様へ気持ちを伝えるプレゼントとして、ロマンティックで甘いひとときを過ごしにぜひ、ご来店ください。
2011.1.6
明けましておめでとうございます。
2011年がいよいよスタートしました。昨年同様、本年もよろしくお願いいたします。
今年初めのお便りでご紹介するのは「牡蠣」です。冬が旬の牡蠣は、エネルギを一時保存するグリコーゲンのほか、体の老化を防ぐ働きをする必須アミノ酸のすべてを含み、さらにタンパク質やカルシウムなど様々な栄養素が多量に含まれることから、「海のミルク」という異名を持っています。身はぷりっとしていて、味は濃厚。フライにしたり鍋物に入れたり、ときには生でいただいたりと様々な食べ方でおいしさを味わえます。牡蠣を選ぶ際には身がぷっくらしたものというのがポイントですが、殻を開ける際に表面ときおりひっかいた傷が付いてしまう場合があります。このような傷を見つけた場合は、生食用でも火を通したほうが良いでしょう。また、調理する場合でもできれば生食用を使っていただくのがベストかと思います。そしてもうひとつアドバイスですが、牡蠣を洗うときには下ろし大根を使うのがおすすめです。下ろし大根の中に牡蠣を入れて混ぜるようにして洗うと、大根がみるみるうちに黒くなり汚れが落ちているのが一目瞭然。また大根は殺菌作用も期待できます。
1月は当レストランで牡蠣をまるごと使ったグラタンをディナーのオードブルにてご用意しています。1年の始まりを身体も心も温まる栄養たっぷりの牡蠣でお楽しみください。
2010.12.2
2010年も残りわずか。ついに12月に突入しました。
12月といえば、クリスマスやカウントダウンなど、イベントが盛りだくさんです。浜松の街中にもイルミネーションが灯りました。華やかにライトアップされた街を見ると気分もワクワクしてきますね。そこで今回は、お便り特別編としてパティシエ・神藤寛恵とともにお届けします。
今月ご紹介する食材は「柚子」。柚子は温州みかんの約4倍のビタミンCがあるほか、カリウムやカルシウム、クエン酸など多くの栄養素を含み、風邪予防や体内浄化、疲労回復、血行促進など、冬の体にうれしい働きがたくさんあります。皮から果汁まで丸ごと利用できるのも魅力です。そして、料理に香りを付けるだけでも上品で洗練された仕上がりになります。皮を風味付けにしたり、果汁を搾ってポン酢にして鍋料理に使ったりと、様々な使い方がありますが、果汁でグランテ(お口直しのシャーベット)を作るのもさっぱりとしておすすめですよ。
もうすぐ冬至がやってきます。冬至といえば「柚子湯」が有名です。柚子湯には、神経痛や疲労回復にも効果があるそうです。柚子は体の外、内から働きかける優れた果物といえますね。
12月はそんな柚子を使ったデザートをご提供いたします。柚子の果汁をカスタードに練り込み、ふんわり、そしてもっちりと焼き上げたロールケーキは、食べるごとに口の中にふわっと爽やかな柚子の香りが広がります。パティシエ・神藤が心を込めて作るこのロールケーキは、ランチ、ディナーのデザートに。一味真の料理とともにどうぞお楽しみください。
さて、これが年内最後のお便りとなります。何かと慌ただしい年の暮れですが、お体にお気をつけて良い年をお迎えください。そして来年も当レストランをよろしくお願いいたします。
2010.11.5
秋が深まるとともに冬の足音が徐々に近づく頃となりました。気温もグンと下がり、そろそろ温かいものが恋しくなってきますね。体調を崩しやすい時期なので、皆さんも気をつけてください。
さて、先月は秋においしい海の幸をご紹介しましたが、今月は山の幸の「キノコ」の紹介です。キノコの魅力は低カロリーなのに、栄養が豊富に含まれているところです。例えばシイタケは、ミネラルや食物繊維が豊富のほか、エステゴールという物質を含み、日光に当たるとカルシウムの吸収を助けるビタミンDが増える特性があります。また、シメジやエノキ、マッシュルームはビタミンB群や食物繊維が豊富。マイタケは免疫機能を高める働きがあり、抗がん作用が期待されます。また、キノコは、全般にカサが開き過ぎず肉厚のものを選ぶのがコツです。今では一年中食べられますが、秋から冬にかけて摂れる天然のキノコは、特に山の恵みをいっぱい吸収した豊かな味わいが楽しめます。
11月は当店で、キノコをたっぷり使ったベシャメル(ホワイト)ソース仕立てのコロッケをディナーのアミューズにてご用意しています。余談ですがベシャメルソースはご家庭でも簡単に作れます。バターとオリーブオイルを温めた鍋に、強力粉とコーンスターチを混ぜたものを入れ、牛乳を加えて最後に塩・コショウで味付けをするだけ。牛乳を徐々に混ぜることでとてもなめらかに仕上がります。グラタンやドリアなどにも利用できるので、覚えると便利です。また、仕上がるまでの過程も面白いので、試してみてはいかがでしょう。そして、当店のコロッケもぜひ召し上がってみてください。
今年は夏が本当に長かったですね。そのせいで身体にも負担がかかり、疲れが残っている方も多いと聞きます。そして、“夏バテ”ならぬ“秋バテ”という言葉も登場しました。
そこで今回は、秋バテにおすすめの鰹(戻り鰹)を紹介します。
遠州灘沖で獲れる鰹ですが、1年に2度美味しい時期があります。1度目は春で、この時期に水揚げされた鰹は刺身にすると、もちもちした食感でおいしく「もち鰹」と呼ばれます。2度目は秋。「戻り鰹」と呼ばれるこの時期の鰹は丸々と太り、脂がたっぷりのっています。鰹はタンパク質が多く、ビタミンAやB1、B2のほか鉄分やDHAも豊富で栄養満点。貧血予防や疲労回復に良いとされ、さらに脂質が少なく比較的低カロリー。美肌にもいいそうです。
さて、鰹を選ぶときですが、赤身が濃い紅色をしているものがおすすめです。スーパー等でパック売りされている場合は、パックの回りにあまりドリップ(体液で旨味や栄養分を含む)が出ていないものを選ぶとよいでしょう。調理するときは初めに塩を振り、10〜15分程おくと臭みが抜けます。また、表面を焼き、すぐ氷水を入れて一気に熱をとると身がしまって一層おいしくなります。脂ののった戻り鰹は薬味をたっぷり添えるとさっぱりいただけます。浜松は全国でも鰹が多く食べられている地域。ぜひ、ご自宅でも味わっていただきたいと思います。
当レストランの10月は、鰹をカルパッチョにし、サラダ感覚で召し上がれるメニューをランチにてご用意しています。
旬を味わいにぜひ、ご来店ください。
残暑がまだまだ続きますが、9月に入り秋の気配が近づいてきました。
「実りの秋」と言われるように、秋はおいしいものがたくさん獲れる季節です。今月はそんな秋を代表するサツマイモ、栗、かぼちゃの3つの食材をご紹介します。
サツマイモは様々な品種がありますが、中でも甘味の強いものが、ずんぐりした「高系(こうけい)」や「紅あずま」です。便秘の解消や予防に効果のある食物繊維をはじめ、美肌に良いとされるビタミンCも豊富で、女性にはおすすめの食材です。選ぶときには、全体的に色ムラがないもの、黒い斑点や傷のないものがいいでしょう。
栗は、糖質やビタミンCを比較的多く含み、疲労回復の働きも期待される栄養価の高い食材。夏の疲れがたまり、体調を崩しやすくなるこの時期にぜひ、食べてほしいものです。殻にシワがなく、張りとツヤがあり、ぷっくりと太ったものを選ぶのがおすすめです。
そしてかぼちゃは、ホクホクした食感と強い甘味が特徴の西洋かぼちゃと、ねっとりした味わいで煮崩れしづらい日本かぼちゃがあります。とくに西洋かぼちゃはカロテンが多く、がん予防や老化防止の作用があり、美肌効果も期待できます。皮にも栄養がたっぷり含まれているので、皮付きで食べることをおすすめします。ヘタの部分が乾燥してずっしり重いものが良いものを選ぶコツです。
さて、今月はそんな秋の食材をたっぷり盛り込んだリゾットを試してみてはいかがでしょう。ブイヨンで煮込むお米は、程よい食感のアルデンテに。そして、3つの食材が持つ個性や自然な甘味、風味、さらにホクホクした食感などを存分にお楽しみいただけます。隠し味には醤油。そしてチーズでコクをつけ、最後はスパイシーな黒コショウで味にアクセントを。プロセスを楽しみながら、料理で秋を感じましょう。
※一味真 四ツ池でもサツマイモ、栗、かぼちゃを使った様々な料理をご用意しています。ぜひご来店ください
。
8月に入り、厳しい暑さが続きます。
こんな時期こそ、栄養たっぷりの旬のおいしい食材を味わって元気なカラダを作りたいものですね。
さて、今回は夏のフルーツ、桃についてのお話です。
7月から9月にかけて旬を迎える桃ですが、女性をキレイにしてくれる要素がたくさん含まれている
ことをご存知ですか。
まず、桃の食物繊維には整腸作用のあるペクチンが豊富で、便秘改善の効果が期待できます。
また、ポリフェノールの一種であるカテキン類も含まれ、がんの予防や老化防止の作用があるほか、
肌のシミやシワを防ぐ働きもあり、夏の日差しにさらされたお肌にも効果テキメンです!
桃を選ぶときは、ふっくらときれいな丸みを帯びていて全体的に紅く色づいているものがおすすめです。
さらに皮の色が濃いもののほうが甘味があり、色の濃い部分に白い斑点が出ていれば、尚よし。
また、果皮の全体にうぶ毛があり、香りの強いものを選ぶことがおいしい桃を選ぶポイントです。
そして、桃は皮ごと使うのが断然おすすめです。皮ごと食べることでより多くの栄養が摂れるので、
ぜひ試してみてください。
一味真四ツ池にも桃の産地、山梨からみずみずしい桃が届きました。その桃を使った冷たいスープを8月からお出ししています。やさしいピンクの色合いや香り、そして味わい。五感で楽しんでいただける一品です。この季節だけの味わいをどうぞ、ご賞味ください。
※2回続けてスープ料理のご案内となってしまいました。何しろスープが好きなもので…ご容赦ください。
暑さが日ごとに増し、本格的な夏もすぐそこです。
日本には春夏秋冬の季節があり、季節ごとの旬の食材があります。
その時期にとれる食材で、旬のおいしさを味わってほしい。そんな思いで、このお便りをお届けしたいと思っています。
さて、初めてのお便りとなる今回は、とうもろこしです。
7月〜9月が旬のとうもろこしですが、飼料用とコーンスターチ等の原料となる穀物用、ポップコーン用、スーパー等で売られる野菜用の大きく4つに分類されることをご存知ですか?
野菜用となるのは、ハニーバンダムに代表される甘味種のスイートコーン。たんぱく質やビタミンB1、B2を含み、疲労回復に効果があるので、暑くて疲れやすい夏に積極的に取り入れたい食材と言えますね。とうもろこしは、鮮度が落ちやすいので、みずみずしい皮つきを選ぶのがおすすめです。そして、粒がぷっくりして、密につまっているかどうかが、新鮮さの目安となります。ぷちぷちした食感で口の中をいっぱいにしながら、砂糖の甘味とは違う、とうもろこしの持つ自然の甘味(うま味)をぜひ、楽しんでみてください。
そして、当レストランにも、ふっくらした粒がたくさんつまった新鮮なとうもろこしが、地元の農家さんから届きました。
7月は、このとうもろこしを使った夏にぴったりのスープをご用意して、皆様のお越しをお待ちしています!